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感染症対策 環境・省エネ

変化を厭わず、テクノロジーで変える感染対策 社会福祉法人鈴鹿福祉会様

変化を厭わず、テクノロジーで変える感染対策
社会福祉法人鈴鹿福祉会様

写真提供:鈴鹿福祉会様様
課題
  • ・コロナ禍で登場した感染予防策は、どれも本当に効果があるのかが分かりにくい
  • ・根拠がない中でも、ガイドラインに基づいて換気を徹底
  • ・利用者だけでなく、職員自身も抱える感染リスク
解決策
  • ・見えない空気の状態を数値化し、「換気の基準」が明確に
  • ・データの蓄積と分析により、「換気が必要な個所」を特定
効果
  • ・施設内の各箇所で、ポイントを絞った感染対策を実現
  • ・「換気」の根拠が明確になり、職員の不安が低減
  • ・室内環境データをレポートとして感染対策の認識を共有

三重県鈴鹿市にある「社会福祉法人鈴鹿福祉会」は、ICTやロボットなど先端技術をいち早く導入している、介護業界のトップランナーである。
今回、「コロナ禍」という未曾有の危機から利用者を守るため、どのような経緯で「エアロコ」を導入いただいたのか。そして、そもそも鈴鹿福祉会がこれほどに先進的であり続けられるのはなぜなのか、そしてそこにはどんなバックグラウンドがあるのか――。
今回は鈴鹿福祉会の理事・服部様と生活相談員・原田様のお二人にお話しを伺った。

「介護の現場を変えたいんだ。協力してくれないか。」

服部様、原田様、本日はよろしくお願いいたします。まずは鈴鹿福祉会さまの事業内容と、お二人のお仕事の内容について教えてください。

服部様
よろしくお願いいたします。鈴鹿福祉会は三重県の鈴鹿市内で「特別養護老人ホーム鈴鹿グリーンホーム」「デイサービス」「ショートステイ翠風」「グループホーム悠々」「デイサービス悠々」などの7つの介護施設を運営している社会福祉法人になります。私自身は当会の理事と「鈴鹿グリーンホーム」の施設長のほかに、ショートステイ施設や居宅介護支援の管理者をしております。
原田様
私は介護保険法上の「生活相談員」を担当しております。これは施設と利用者さまやそのご家族をつなぐ仕事です。利用者さまと当会のウィンウィンな関係をつくっていくという意味では、営業に近い仕事なのかもしれません。とにかく、非常にやりがいのある仕事です。
左から服部様、原田様。柔和で明るい笑顔が印象的なお二人

左から服部様、原田様。柔和で明るい笑顔が印象的なお二人

原田様の採用は、服部様が担当されたとか。

原田様
ええ、11年前に服部の面接を受けて、当会に入りました。その面接のときの服部の言葉が非常に印象的でして、「介護の現場を変えたいんだ。だから協力してくれないか」と。その言葉は今でも鮮明に覚えています。
服部様
当時は自分自身、漫然と「介護の現場を良くしたい」と思っておりました。でもそのときは、方法や手段はわからず、まだまだ手探りで。そんな中での発言でした。

それから10年、貴会は全国的にもロボティクスの導入など、かなり先進的な介護業界のトップランナーになられたわけですが。この間、どんな変化があったのでしょうか。介護業界はDXが進みにくい業界とも言われているなかで、なぜ鈴鹿福祉会はこれだけ新しい取り組みがうまくいっているのか、大変興味があります。

服部様
一番の変化はこのグリーンホームの大規模施設改修です。その変化と合わせて、ロボットやデジタルなものを取り入れられる職場の土壌ができてきたというところでしょうか。

「変化に強い土壌」を生んだ、前代未聞の改修工事

施設改修と新しいものを受け入れる職場風土。一見すると必ずしも近いわけではないような二つの要素ですが、具体的にどのようなことがあったのでしょうか。

服部様
我々が手掛けた施設改修は、前代未聞と言っても過言ではないような工事でして。一般的に介護施設の改修工事を行う場合は、工事期間中は施設を休業したり、あるいは別の位置に施設を新築してからそちらへ引っ越すというのが一般的です。ところがグリーンホームの改修工事というのはそのどちらでもなく、サービスを1日も止めることなく、まるでパッチワークのように少しずつ施設の改修や増築を進めていくというものでした。
そうすると、毎日入居者を動かさなくてはなりません。業務のやり方や職員のシフトも半日単位で目まぐるしく変化していく。そんな中で、職員も変化に対応できるようになっていったのだと考えています。

そうした変化を受け入れる土壌ができたことで、施設のロボティクス化やICT化がどんどん進んでいったと。

服部様
その通りです。結局、介護の業界はどんどん働き手が減っていく中で、どんどん新しいことを要求される世界でもあります。では、その減った部分をどうテクノロジーで巻き取って、増えた仕事の部分をカバーするかということが肝になってきます。何より、介護ソフトもロボットも、使うと慣れてきます。そしてなくてはならないものになっていったと。

壮絶な前代未聞の施設改修工事の中で、職員の皆さまが一丸となって「変化を厭わない」職場風土を築いていかれたのだと、大変よくわかりました。そんな中で、今回導入いただいたこの「エアロコ」も、見えない空気をデータを取りながら数値化していくという、まさに新たなデジタルツールです。エアロコを導入いただいた背景や課題感について、教えていただけますでしょうか。

服部様
新型コロナ感染症に対しては、換気以外にもアルコール消毒やパーテーションの設置などとにかく様々な対策が登場したわけですが、とにかくどの施策にせよ、「本当に効果があるのかわからない」というのが不安でした。換気を例にしても、部屋ごとに空気の流れもフロアの面積も違いますし、季節によっても換気ができたりできなかったりする。そうすると、30分おきに一律に換気をしていくという話になるわけですが、果たして本当にそれでいいのかと。だから根拠がないながらも、国や厚労省のガイドラインに従って、とにかく換気をするという運用にしておりました。

そんな中で、ご縁あって「エアロコ」をご紹介させていただいたわけですが、「換気の見える化ができる」と知って、どのようにお感じになられましたか。

服部様
目で見えない換気の状態を、CO2濃度を使って見えるようにするというのは大変わかりやすく良いと感じました。「1,000ppmを超えちゃダメだ」とみんなが納得できますし、職員も「利用者さまの感染」と同じくらい「自分自身の感染」を恐れていましたから、その不安感を軽減できたという意味でも良かったですね。しかも、このサービスが知らない会社のサービスではなく、「中電さんのサービス」というところにも信頼感があったので、エアロコの導入をすぐに決めさせていただきました。

エアロコ導入で、感染への不安感を軽減

地域の方に継続的にフレイル予防に取り組んでいただくために鈴鹿福祉会さまが主催する、「フレイル予防プログラムデイリーアクション事業」。

地域の方に継続的にフレイル予防に取り組んでいただくために鈴鹿福祉会さまが主催する、「フレイル予防プログラムデイリーアクション事業」。コロナ禍で開催を中断していたが、「エアロコ」で換気状態も見える化しながら、このたび対面でのプログラムを再開

ありがとうございます。現状、貴会では5台センサーを導入いただいておりますが、どのようにエアロコを活用いただいているのでしょうか。

原田様
今回、我々は電源接続すればどこでも使用可能な「LTEモデル」のセンサーを5台購入し、センサーに名前をつけずに番号を振って様々な場所で使いまわすという運用を続けてきました。
基本的にはデイサービス施設・浴室・送迎車両、それから市内の公民館などで地域の高齢者の方向けに行っている「フレイル予防プログラム」などでセンサーを活用しております。

実際、センサーでデータを取ってみたことで、何かお気づきになられたことはありますか?

原田様
「密なのでは」という不安感の拭えなかった浴室やフレイル教室の換気状態が思った以上に良かったことがわかり、不安材料が減って良かったと感じています。それでも場所によってはCO2濃度が上昇する場合もありますので、その際は職員がインカムで連絡を取り合い、適宜換気を行うという運用にしています。
一方で、送迎車両は非常に密になりやすいということが分かったので、空調がいらない中間季はしっかり換気を行い、換気の励行が難しい夏場や冬場はしっかりと消毒する等によって、クラスター発生リスクを押さえるようにしています。
服部様
私のほうでは、デスクに設置しているモニターで室内の様子をモニタリングしておりますし、月次でエアロコの画面を活用してレポートを作成し、職員に「換気で注意すべきところ」を伝達するようにしております。
エアロコで取得したデータの分析レポートについてご説明してくださった服部様。

エアロコで取得したデータの分析レポートについてご説明してくださった服部様。
エアロコは過去データを時系列を変えながら簡単にグラフ化し、分析できる点が魅力のひとつ

「エアロコ」を有効にご活用いただけて嬉しい限りです。それでは、最後にメッセージをお願いいたします。

服部様
介護の現場においては、コロナ5類化以降も厳しい感染症対策が必要であり、そうした意味でも「エアロコ」は業務負荷低減という観点で有効なツールになっています。人手が減っていく一方で、高まっていく利用者さまのニーズにどうお応えしていくか。そのためにはとにかくICTと外国人介護人材の活用が重要だと考えております。そして実は、ICTで取得する「数字」のデータというのは非常に明確でわかりやすいので、外国人のみなさんもすんなり業務に入っていけるという良い効果があり、実際に外国人介護人材もうまくエアロコを活用してくれています。
この新しいものに適応できる職場風土を活かして、職員の負担を減らしつつ、並行してサービスの質の向上を目指していきたいと思います。

<社会福祉法人鈴鹿福祉会さまのHPはこちら>

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※ 土・日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は翌営業日以降に内容を確認させていただきます。

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